ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-


なんていうか、……とても、視覚的に刺激が強い。

俺の服を着た愛花が、俺のベルトを……。


むくむくとこみ上げる衝動をなんとかこらえていると、愛花が落ちつかない様子で視線をそらした。

決まりが悪そうに伏せられたその頬には、恥じらいがぱっと咲いていて——。

その表情を目にした瞬間、こらえていたものが一気にこみ上げ、頭の中でパチンッとなにかの糸が切れたような感覚がした。

俺は気づくと、愛花を力いっぱい引き寄せていた。

無防備に倒れ込んでくる小さな体をくるりと下にして、ソファに押し付ける。


「愛花」


怯えたように目をつむっている姿がたまらなくて、なるべく優しく呼びかけた。

恐る恐るというように開かれた瞳は、潤みを帯びて、キラキラと光を反射している。

少し開かれた紅い唇と、上気した頬に、体の芯が痺れるようにうずいた。