ドアが閉まり、おーちゃんとわたしだけの空間になる。
向けられている大きな背からは、感情を読み取ることができなかった。
沈黙に耐えきれず、わたしはおずおずと口を開く。
「……その、康晴は、悪気があったわけじゃなくて」
「……」
「……わたしが、悪いの……」
落ちてビニール袋から散らばったお菓子を見て、胸が痛んだ。
心配して、来てくれたのに……。
本当のことを話す前に、最悪な形でバレてしまった。
傷つけたくないと言いながら、一番ひどい形で傷つけてしまった。
康晴の気持ちを、……見ないふりなんて、しちゃいけなかったんだ。
最後に見えた辛そうな表情が、頭から離れない。
「……いや、俺のせいだな」
おーちゃんはポツリともらすと、わたしのそばに腰を下ろした。


