着替えを済ませて、髪も乾かしてリビングに戻ると、おーちゃんは今度こそ眠ってしまっていた。
気持ち良さそうな寝顔になんだかムカついて、持ってきてあげたおーちゃんのスウェットを投げつけてやる。
「むぐ」
見事に顔面に命中して、苦しそうな声が聞こえてきた。
けれど、すぐにまた規則正しい寝息に変わる。
……仕事で疲れてたのかな。
すぐに思い直して、わたしは投げつけたスウェットをどかすと、たたんで床に置いた。
本当は着替えてベッドで寝たほうが休めるんだろうけど、起こしてしまうのも悪い気がしたのだ。
「……いつも、ありがとうね」
わたしの分まで、お仕事頑張ってくれて。
——わたしをここに、連れてきてくれて。
本人に聞こえていなくても、声に出して、言いたくなってしまった。
おーちゃんがいなかったら、……今頃わたしは、ひとりぼっちだったのだから。


