心底驚くわたしをよそに、目の前の彼女は続ける。
「わたし、少し前に山名先輩に告白したんです。でも、好きな人がいるから、って……」
「……」
「フラれたけど、その人のことがまだ好きだって言ってました。だから……忘れられるまで待つ、って言ったんです、わたし。けど先輩には、俺も同じだからやめたほうがいいって断られて……」
……同じ……?
女の子は、ぎゅっと学ランの裾を握りしめた。
「その好きな人が、叶わない恋をしてるかもしれないから……辛い思いをしてるかもしれないからそばにいたい、って、言われたんです」
わたしの喉が、ひゅっと音を立てた。
「わたし……そのとき、自分のことより、山名先輩に幸せになってほしいって思って……。だから、お願いします。叶わないなら……少しづつでもいいから、ちゃんと山名先輩のこと、見てあげてください」


