「あ、ほら! 応援合戦、始まるみたいだよ」


美月がはしゃいだように窓際に寄った。

わたしも少し身を乗り出して、外の様子を伺う。

グラウンド中央に、乱れなく整列している白組の団員の中から、見知った姿はすぐに目に留まった。


『あいつ……まだ愛花のこと、好きなんだよ』


「いくぞっ!!」という団長の掛け声を合図に、大きな太鼓の音が、胸のあたりまで響き渡る。

がんがんと心臓のあたりを振動させる音色に、わたしは思わず、ジャージの襟元を握りしめ、ぼんやりと考えていた。


——どうして……。

どうして康晴は、わたしのことを、好きなんだろう。