ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-


前髪をめくられて、消毒された後なのかスースーするおでこに、少しぎこちない、丁寧な手つきで絆創膏を貼られた。


「うし。できた」

「……ありがと……」

「はいよ。つーか、大丈夫?」


聞かれて、とりあえずコクリと頷く。

その後で周りを見渡し、自分が保健室のベッドの上にいることに気がついた。


「……わたし、気、失ってたの?」

「ちょっとだけな。外はまだ騎馬戦の二回戦目やってる」

「あ、そう……」


まだぼんやりとする頭のまま、ゆっくりと起き上がった。

風に乗って、グラウンドの賑やかさが窓から流れ込んで来る。


「一応、目立ったのはおでこだけっぽかったけど……他に痛いとこないか?」

「……うん、大丈夫」

「ったく、顔から派手にいっといて、怪我がそれだけかよ。器用なやつ」

「見てたの?」

「ばっちり」


う……。


顔面から転ぶかっこ悪い自分の姿を想像して、わたしは恥ずかしくなった。