ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-



——なんか、足……すごく痛い……。


突然こみ上げてきたじんじんとする刺激に、わたしはゆっくりとまぶたを持ち上げた。


……誰かいる。


ぼやけた視界に、何度か瞬いた。

すぐ近くに見えているものが、だんだんとはっきりして、……それが康晴の顔だと認識したわたしは、きゃっ! と声をあげた。

ほとんど同時に、康晴が大きな絆創膏をこちらに向けたまま後ろに飛び退く。


「びびった。……よかった、起きて」

「な、なにしてたの」

「なにって……おでこに、これ貼ろうと」


ん、と指を差されて、わたしは自分のおでこに触れた。

左眉の少し上で走った鋭い痛みに、反射的に顔を歪ませる。


「おい、触んないほうがいいって」


わたしの手首を掴んで退かした康晴が、よいしょ、とまたこちらに近づいてきた。