ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-



「——危ないっ!」


近くにいた誰かが、悲鳴にも近い声で叫んだ。

ふっと自分の上に落ちた影に、なぜかわたしは、退くことをせず咄嗟に受け止め体勢に入ってしまった。

背中から落ちてくる女の子と一緒になって、再び、地面に勢いよく倒れ込む。

目を瞑る直前の視界に映ったのは、すぐそこまで迫った、グラウンドの砂だった。