あちらこちらから襲いかかる腕の中をかいくぐりながら、なんとか帽子を守り抜く。
けれど、近くにいた紅組の騎馬に目をつけられて、伸ばされる手から、わたしは必死に体を傾け避け続けた。
そして、一瞬の隙をついて——。
……掴めたっ。
ぎゅっと握った拳に確かな布の感触を感じた瞬間、あっ、と声をもらす暇もないまま、バランスが崩れた。
わたしの体を支えていたものがなくなって、お尻に強い衝撃が走る。
……っ、痛い……!
思わず顔をしかめて涙ぐんだ。
騎馬から落下したのだと理解するまでに、少し時間がかかってしまった。
けれど、しっかりと手元にあった紅色の帽子の存在に安堵して、わたしは慌てて立ち上がる——。


