結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


「ああ、びっくりした……。狼くん、人前でああいうことはしないほうがいいよ」

「ああいうことって、キス? でも、これで仁葵ちゃんが俺の彼女だって知れ渡ったでしょ」

「え……まさか、そのためにわざと人前でキスしたの?」

「いや? 仁葵ちゃんが可愛かったから、俺がしたくなってしただけ」


なんだそれ……と、私はがっくり肩を落とす。
狼くんて、考えているようで、実は何も考えていなかったりするのかも。


「それにキスって言ったって、頭にちょっとしただけだよ」

「それでもキスはキスだよ……」

「キスなら俺、もっとちゃんとしたのがしたいな?」


そう言って私の唇を指先でちょんと触るから、びっくりして狼くんの手を離し飛びのいた。

恋人のフリしてるだけなのに、そういうの(キス)はアリなのー!?