結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


「狼くんはちょっと体温低めだもんね」

「俺は冷たい人間だからね」

「そんなことないよ。困ってる私を助けてくれたでしょ。それに、手が冷たい人は心があったかいって聞いたことあるし。狼くんは優しいよ」


狼くんは私の髪をすくうように撫で、小さく笑った。


「俺が優しいのは、仁葵ちゃんにだけだから」


甘く囁いて、私の髪にキスをする狼くん。
私は彼の腕の中で、心臓が口から飛び出そうになるのを必死で耐えるしかなかった。

そんなこと言われて、私はどう反応したらいいの……!

狼くんはずるい。
かっこよくて、優しくて、びっくりするくらいマイペースで、私の心を振り回す。

とんでもない人の(ウソ)彼女になってしまったかもしれない。

少し低めの彼の体温を感じながら、明日から学校だけど大丈夫かなと、ひとり不安になるのだった。