「ふうん。例えばどんな?」
「例えば……浮気は絶対しない、とか」
口にしてから、何言ってるんだろうと後悔した。
顔が熱い。
恋人のフリなのに、浮気も何もないだろう。
狼くんもあきれたかな、と顔を上げると、彼は不思議そうにこてんと首をかしげていた。
「もちろんいいけど、それは人として最低限のルールだよね?」
「え……いいの?」
「いいっていうか、最初からそんなのするつもりないし」
「お、女の子とふたりきりになったり、こっそり連絡取り合ったり、べたべたしたりしちゃダメなんだよ?」
「うん。そもそもそんなことする相手がいないんだけどね」
じゃあ、さっきの電話の子は?
そう言いかけて、飲みこんだ。


