慌ててカップを置いて、狼くんを引きはがし立ち上がる。
「あ。逃げちゃった」
「いきなり何するの!?」
「大丈夫。恐くないからこっちおいで」
「狼くん!」
私は怒ってるのに、狼くんは小さく笑って私を捕まえると、腕の中に閉じこめた。
狼くんの草原のような爽やかな香りに包まれて、身動きがとれない。
足元で、ルポがちょっとうらやましそうにこっちを見ている。
見てないで助けて、ルポ。
「猫の仕事はご主人様を癒すことでしょ」
「わ、わ、私、猫じゃない~っ」
「ふふ。なかなか懐かない猫拾ったみたい」
のんきに笑うと、狼くんは私の肩にぐりぐりと顔をすりつけた。
これじゃあご主人様っていうより、甘えん坊の犬だと思う。
今度買い物に行ったら、狼くんに犬耳のついたパーカーを買わなくちゃ。


