「なに? ……へえ、こっちに。そう。……え? うちに?」
狼くんの声がワントーン下がるのを感じた。
そっと振り返って狼くんを見ると、珍しく眉をひそめている。
どうしたんだろう。
何の話をしてるのかな。
「自分の家もあるんだから、そっちに行けばいいだろ。……知らないよ。ホテルとかあるし。もう子どもじゃないんだから。おじさんたちは何て? ……うん。まあ、そうだろうな」
なんとなく、親しげに聞こえて胸がざわついた。
家族ぐるみの付き合いの相手なんだろうか。
「うん。……うん? ああ、わかったよ。それは付き合う。でも俺も忙しいからそんなに時間取れないけど。……はいはい。わかったって」
今度は柔らかく笑ってる。


