結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


「仁葵ちゃんすごい。どんな魔法を使ったの?」

「使ったのは普通の食材と調味料だよ。狼くんの口に合うといいんだけど」


私の心配をよそに、食事をはじめると、狼くんは次々と料理を口に運んでいった。
食べるたびに「食感が好き」「優しい味がする」「こんな美味しい卵焼き食べたことない」と嬉しいことばかり言ってくれて、私はそれだけでお腹がいっぱいになってしまった。

おじいちゃんに「女なのだから、料理は得手であるべきだ」なんて言われ、料理の勉強を強要されてうんざりした時期もある。
でもいま役に立って、生まれてはじめて、ちょっとだけおじいちゃんに感謝してもいいかなと思った。


「仁葵ちゃんは良い奥さんになるね」

「……そうかな。でも私、良い奥さんより、できる看護師になりたいんだ」