結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】



うろうろうろうろ……
うろうろうろうろ……

さっきから、キッチンに立つ私の背後を、狼くんが行ったり来たりしている。
何を作っているのか気になるというか、わくわくしているみたいなんだけど、まるでいまかいまかとご飯を待つわんちゃんみたいだ。

ルポが私の足元から、挙動不審な飼い主をうろんげに見ている。

何度気が散って手元が狂いそうになっただろう。
ダメだ、料理に集中しないと。

もう狼くんのことは気にしない。私の後ろには誰もいない。
そうやって自己暗示をかけようとしていたのに――。


「ねぇ。何作ってるの?」


のし、と背中から覆いかぶさるように狼くんが手元ののぞきこんでくるから、包丁を落としそうになってしまった。


「あ、危ないよ狼くん!」

「俺も手伝う?」