ちょっとこれはがんばらなくちゃだな。
そう思ったとき、ふと周りを見ると、すれちがう人がみんな狼くんを振り返っていることに気がついた。
近くにいる人も、女の人はもちろんのこと、男の人まで視線が吸い寄せられるかのように狼くんを見ている。
やっぱり狼くんは目立つんだなあと、改めて感心する。
どこにいても目をひく人はいる。
おじいちゃんに連れられて参加するパーティーでも、みんな同じように着飾っていても、その中で特別に輝いて見える存在はいた。
私の初恋の人も、そういう特別な存在だった。
金髪に青い瞳の男の子。
8歳の時に連れていかれたパーティーで出会った夜のこと、いまも鮮明に覚えている。
退屈で会場を抜け出した私は、ホテルの庭園で迷子になったあげく、池に落ちた。
おまけに頭を打ってケガもしていた私を、その金髪の男の子が助けてくれたのだ。


