「たくさん買い物しちゃった。狼くん、付き合ってくれてありがとう」
「俺も楽しかったから。じゃあ、そろそろ帰ろうか。夜はどこで食べようね」
「あ、そうだ。今日のお礼に、私が作ってもいいかな?」
狼くんがぴたりと足を止めるので、私も自然と立ち止まる。
まじまじと見てくる狼くんに首をかしげた。
「狼くん?」
「ごはん…仁葵ちゃんが作ってくれるの?」
「う、うん。良ければだけど。でも、そんなに料理が得意ってわけじゃなくて、簡単なものになっちゃう――」
「食べたいです。仁葵ちゃんが作ったごはん」
「そ、そう? じゃあ、帰りにスーパー寄っていこ」
今度ははっきりと、狼くんはご機嫌な顔で歩きだした。
大丈夫かな、私。
なんだかものすごく期待されているみたいだけど、本当に普通の家庭料理しかできないんだけどなあ。


