狼くんがほとんど買った荷物を持ってくれて、私は小さな紙袋ひとつだけ。
中身はおそろいで買ったマグカップだ。
私用のカップを買おうとなって、せっかくだから俺もと、狼くんがおそろいで買ったのだ。
おそろいの食器って、同棲っぽくてちょっとときめいてしまった。
家の中だから誰かに見られるわけじゃないのにいいのかな。
ちらりと横を歩く狼くんを見上げる。
いつも通り眠そうな無表情だけど、なんとなく機嫌が良さそうに見えた。
あちこち買い物に連れ回しちゃってるのに、優しいな。
剣馬なら「さっさと決めろよ」「まだ終わらないのか」って嫌味っぽくぶつぶつ言っているところだ。
男はだいたい、買い物は短く済ませるから、女の買い物に付き合うのは苦痛だとも前に言っていたっけ。
じゃあ、狼くんは特別優しいってことなんだろうな。


