確かに、マンションならともかく外で剣馬たちに捕まったら、問答無用で家に連れ帰られてしまうだろう。
現金には限りがあるし、家出が終わったらお金は返す約束で、いまは狼くんに甘えることにした。
「これは俺からのプレゼントね」
また新しい紙袋を手に戻ってきた狼くんは、妙に満足気だった。
そんなにあの猫耳パーカーが気に入ったんだろうか。
ルポがいるから、猫グッズも集めているとか。
「プレゼント? 私に?」
「うん。同棲記念に。……っていうのは口実で、俺がただこれを着た仁葵ちゃんを見たかっただけなんだけど」
「もしかして、狼くんて無類の猫好きなの? 猫を愛してやまない人?」
「猫っていうか……まあ、うん。可愛いよね、猫。ルポも他の猫も」
なぜか私の頭を撫でながらそう言っていたけど、私が猫耳パーカーを着ても、残念ながら本物の猫にはほど遠いと思った。


