「このあと仁葵ちゃん、予定ある? なかったら買い物に行こうか」
「予定はないけど、買い物?」
「うちに住むなら色々必要でしょ。荷物少なそうだったし、足りないもの買いに行こう」
「いいの? 付き合ってもらっちゃって」
「可愛い彼女のためですから。いくらでも荷物持ちするよ」
なんて理想的な(ウソ)彼氏だろう。
狼くんて、恋人にはこんなに甘くなる人なのかな。
「狼くん、優しすぎるよ……」
「仁葵ちゃんにだけだよ」
きゅってまた、優しく手を握られる。
これ以上、勘ちがいしそうになるようなこと言ってドキドキさせないでほしい。
心臓がおかしくなってしまいそうだ。
そのあとベシャメルソースたっぷりのクロックムッシュが届いたけれど、なんだか胸がいっぱいで、食べきることができなかった。


