「毎日がんばって飲めば、美味しく感じるようになるかなあ」
「無理して飲むことないんじゃない? 俺もカフェオレ好きだよ」
「ほんと? 狼くんも飲むの?」
「たまに。今日はミルクを買って帰ろうか」
テーブルの上で、私の手をとり小さく笑った狼くんは、文句なくかっこよかった。
フリだということを一瞬忘れてときめいてしまったくらい。
そのまま手を握られて、一気に顔が熱くなる。
わかってる。これは演技。
どこかで狼くんのファンが見ているかもしれないから、わざとイチャイチャして見せてるのだ。
いちいちドキドキするな、と自分に言い聞かせ、ためらいながら彼の手に握り返した。
でも途端に嬉しそうな顔をされてしまって、やっぱりドキドキしてしまう。
塩対応の完璧王子はどこに行ってしまったんだろう。


