狼くんはこういうの、慣れてるんだろうなあ。
いままでどんな人とお付き合いしてきたんだろう。
海外にいたときも彼女はいたのかな。
海外の人って、大人っぽくて積極的なイメージだけど……。
朝からおかしな想像をしそうになって、慌てて自分の頭を軽く叩いた。
「仁葵ちゃん? どうかした?」
「ううん! なんでも!」
朝食は、マンションからほど近い場所にあるカフェでとることにした。
外装が赤レンガの、落ち着いた雰囲気のあるカフェで、早朝から営業し夕方には閉じるそうだ。
中には数名お客さんがいて、静けさとコーヒーの香りで満ちていた。
普通のトーストかキッシュ、それとクロックムッシュから選べて、ものすごく迷った末にクロックムッシュに決めた。
一緒にカフェオレも頼む。
狼くんはキッシュとアイスコーヒー。
常連らしく、店員さんとやりとりをしている狼くんは、ひとり立ちした大人のように見えてかっこよかった。


