「なに?」
「……本物の仁葵ちゃん?」
「そうだけど、まだ寝ぼけてる?」
とりあえず放して?と言うと、狼くんはすんなり私を解放してくれた。
ふう。やっとまともに息が吸える。
でも狼くんの体温や筋肉のついた固い胸や腕の感触が残っていて、顔が熱い。
「ごめん仁葵ちゃん。夜中にトイレ行ったとき、寝ぼけてベッドきちゃったっぽい」
起き上がり、眠そうな顔のまま謝ってくれる狼くんに苦笑する。
寝ぼけてたんじゃしょうがないよね。
「ううん。やっぱりソファーじゃ、よく眠れなかったんじゃない? 今日は私がソファーで寝るから、狼くんはベッドでゆっくり寝て?」
「大丈夫。仁葵ちゃんがあったかくてよく眠れたのか、体はつらくないよ」
「そ、そう。私、体温高めだから……」
狼くんは逆に少し体温が低めなのか、手とか腕がひんやりしていて気持ち良かった。
そんな感想、恥ずかしくてとても言えないけど。
ふと、ベッドの端にルポが丸くなっているのが見えた。
えー! ルポもベッドに来てくれたんだ!


