「ねぇ、狼くんてば。朝だよ、起きて」
「んー……」
「起きてってば。いま何時? お腹空いたよ。ねぇ狼くん」
「んん……あれ。仁葵ちゃん?」
半分ほどまぶたを持ち上げた狼くんが、私を見てパチパチとまばたきする。
まだ眠そう……というか、寝ぼけてる?
「おはよう、狼くん。朝だよ」
「仁葵ちゃんだー。なんでいるの?」
甘えたような声で言いながら、私をぎゅっと抱きしめ直す狼くん。
やっぱり寝ぼけてる!と、ドキドキしながら彼の胸を軽く叩いた。
「こっちのセリフだよ! 狼くんソファーで寝たんじゃなかったの?」
「ソファー……あ」
パチリと狼くんの少し垂れ気味の形の良い目が開く。
至近距離から私の顔をまじまじと見て「仁葵ちゃん?」と言った。


