ナウ? と首を傾げる仕草はあざといのひとことに尽きる。

そうか、こんなに可愛い猫ちゃんとの素敵ライフがここにはある……!


「狼くん! しばらくお世話になります!」


迷いを完全に振り切って、暗くなったスマホを握りしめ、ぺこりと頭を下げた。
その頭を、優しい手つきで撫でられる。

よくがんばりました、と言うように。


「はい、お世話します。よろしく仁葵ちゃん」


顔を上げると、完璧王子と言われる彼の、完璧すぎる笑顔があって、声が出ないほど驚いた。
なんとなくその笑顔が嬉しそうに見えたのは、私の願望だったのかな……。


ルポのナーウという鳴き声が「よかったね」と言っているように聞こえた。