「仁葵ちゃん、大丈夫?」


眠そうな狼くんに顔をのぞきこまれ、ぐっと唇を噛む。

何も考えずにあんなこと宣言しちゃって、どうしよう。
狼くんは家に置いてくれるって言うけど、長い期間厄介になるわけにはいかないし。


「もしかして、まだ迷ってる?」

「だって……こんな訳ありな私、迷惑にしかならないよ」

「迷惑なんかじゃないよ。それに……」

「それに?」

「毎日ルポに触り放題だよ」


そう言って、狼くんはルポを抱き上げる。

だらんと身体が伸びて、ちょっとお餅っぽいところも最高に可愛い。