結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


スマホを手に彼をうかがうと、珍しく飛鳥井くん……いや、狼くんは目を細めて笑った。
それが予想外に優しい笑顔だったから、私はぽかんとしてしまう。

狼くんて、こんな風に笑うんだ……!


「もちろんいいよ。何なら俺も電話に出るし」

「あ、ありがと。じゃあ、かけるね」


家を出るときにスマホの電源は落していた。
私のスマホ、たぶん剣馬にGPS設定をされているだろうから、居場所がバレないようにしたかったのだ。

でもここのマンションはセキュリティーばっちりだし、大丈夫だよね。
剣馬が押しかけてきて、私を連れ戻すなんて心配はしなくて済みそうだ。

おそるおそる電源を入れると、起動した直後着信音が鳴り響いた。
慌てて確認すると、画面に表示されていたのは予想通り剣馬の名前だった。