「……へ?」
簡単に思えるはずだったけど、これはちょっと、予想外だ。
飛鳥井くんはほぼ無表情のままで、冗談を言っている様子でもない。
でも本気でこんなことを言うだろうか。
「あの……詳しく説明を聞いても?」
「そのままだよ。花岡さんは行くところがなくて困っていて、俺が助ける。だから花岡さんも困ってる俺を助けてほしい」
「飛鳥井くん、何か困ってるの?」
「うん。困ってる。わりとずっと困ってる」
そんなに困っていることがあったのか。
顔よし、頭よし、運動神経よし、家柄もよしの完璧王子なんて呼ばれることもある飛鳥井くんが困ることって、いったいどんなことだろう。
好奇心を抑えきれず前のめりになる私とちがい、飛鳥井くんは暗くうんざりとした顔でこう言った。


