そこまで親切にしてもらえるほど、私たちの仲は親密じゃなかった。
むしろクラスメイトとしても疎遠というか、普段あまり関わることのない関係だったはずだ。
整った容姿の飛鳥井くんは人気者で、見るといつも女の子たちに囲まれている。
でもちっとも嬉しそうじゃなく、話しかけられても眠そうな顔をしていて、要するに愛想がない。
だから冷たい人なのかなと思って、あまり近づかないようにしていた。
それなのに、こんな風に助けてくれるなんて不思議でしかない。
「もちろんタダでとは言ってないよ」
「えっ。あ……そうだよね」
「うちで居候するのに、条件がひとつだけある」
ごくりと唾を飲みこんで、飛鳥井くんの言葉を待つ。
何でもこい。
私にできることなら、何だってやってやる。
おじいちゃんの考えを変えることに比べたら、何だって簡単に思え――。
「条件は、俺の恋人になること」


