だからこうして、俺の部屋という鳥籠の中で、彼女をひたすら甘やかし、可愛がっている。

俺から離れる気になんてならないように。
真実を知ってしまったとしても、俺から離れては生きて行けなくなっていれば、きっとずっと一緒にいられる。


「……はい、おしまい」


カチリとドライヤーを切り、彼女の髪をひとなでする。

頭のてっぺんから爪の先まで、全部全部俺が手入れしてやりたい。
そうして少しずつ、俺に依存してくれたらいいのに。


「ありがと、狼くん!」


振り返り、純粋な笑顔を向けてくれるかわいい子。

たまらなくなって、俺は後ろからぎゅっと彼女を抱きしめた。


「狼くん?」