「仁葵ちゃんが取り損なったら、俺がキャッチしてあげるからね」

「ええ? 狼くんもブーケトスに参加するの?」

「男が参加しちゃダメって決まりはないでしょ?」


しれっと言った狼くんに、寧々子ちゃんが笑いながら「そうですね」と同意する。

狼くんが花束をキャッチする側にいたら、みんなきっと遠慮してよけちゃうだろうなあ。
その様子を想像すると、私も笑ってしまった。


「結婚もいいけど、とりあえず仁葵ちゃんにうちに来てほしいな。ルポも待ってるよ」

「私も早く行きたいよ。ルポをギュッてして寝たい」

「そこ、ギュッてするのは俺じゃないの?」

「もう! 狼くんてばそんなことばっかり言って!」