きっとまだ、美鳥さんは狼くんへの恋を終わらせられないでいるんだろう。

それも仕方ないことだと思う。
それくらい、狼くんは魅力的な人だと知っているから。

でもいつか、私たちが結婚するときには、彼女にも祝福してもらえるといいなと思ってる。

だって彼女は、狼くんの幼なじみだから。
幼なじみが大切な存在だということは、私にも剣馬がいるからよくわかる。

難しいことかもしれないけど、叶うといいなとこっそり願っていた。


「ひと足先に、寧々子ちゃんの式だね。本当に楽しみ!」

「うふふ。ブーケトスは、仁葵ちゃんに向かってしますからね」

「よーし! 絶対キャッチするから!」


そう気合を入れて宣言した私の頭を、狼くんが優しく撫でる。