結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


思わず、私は手で口を覆った。

うそ……狼くん、覚えてたの?
やっぱりあのときの王子様は、狼くんだったんだ。


「俺はたまたま、君が落ちるところを見てたんだ。急いで助けようとしたけど、俺も子どもだったから、すぐには水から引き揚げてあげられなくて。大人が気づいて駆け付けてくれなかったら、大変なことになってたかもしれない」

「覚えてる……覚えてるよ。私もずっと、忘れられなかった。あのとき助けてくれた、金髪で青い瞳の王子様のこと」


狼くんは驚いた顔をしたあと、軽く首を横に振った。


「覚えてたんだね。でも、俺は王子様なんかじゃないよ。結局俺の力じゃ助けられなかったし。本当はすぐに大人を呼びに行かなくちゃいけなかった。そうしなかったせいで仁葵ちゃんには苦しい思いをさせちゃって……。あのときはごめんね」