「昨日の、隠してたことがあるって……」
「うん。聞いてくれる?」
覚悟を決めて、うなずく。
私はまだ、狼くんのことが好きだから。
彼のことをちゃんと知りたい。
「ずっと、子どもの頃から会いたかった子がいるんだ。会って、まずは謝りたいと思ってた」
「謝る……?」
「俺のせいで、こわい思いをさせちゃったから。でも俺は子どもで、ひとりで日本に戻ることを親が許してくれなくてね。それでもその子のことがずっと忘れられなくてね。じいちゃんに協力してもらって、高校生になってなんとか日本に戻ることができたんだ」
その子について知っていたのは、自分と同じ年くらいだったことと、名前だけ。
たったそれだけの情報を頼りに、狼くんは人探しをしたらしい。


