結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


色素の薄い柔らかな髪を横に流し、体にぴたりとフィットしたス―ツを着た狼くんは、普段よりぐっと大人っぽく見える。

ライトブラウンのスーツに合わせたネクタイは、偶然にも私の着物と同じ鮮やかな空色だった。


「どうして、狼くんが……」

「ごめん。昨日メッセージを送った通り、ずっと仁葵ちゃんに隠してたことがあるんだ」

「どういうこと? わかんないよ……」


軽いめまいを覚えるくらい、混乱していた。
いま目の前に彼がいる事実が、私の置かれた状況がちっとも理解できない。

立っているのもやっとな私に「まあ、立ち話もなんだから」と眼鏡の男性が優しく声をかけてくれた。


「ふたりとも、まずは座ったらどうかね。時間はたっぷりあるんだから」