結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


「ちょ、ちょっとだけ、猫ちゃんに会いに行っても……」

「うん。おいで」

「本当にちょっとだけで、すぐお暇するから……!」

「ゆっくりしてっていいよ」


今度こそ行こう、と飛鳥井くんが空いている手で私の手を握る。

えっ。どうして手繋ぎ……?

驚きながらも彼の手に引かれるまま歩き出す。
すぐに、混んでいるからはぐれないようにだと気づいたけど、ドキドキと高鳴る胸はなかなか落ち着かなかった。

男の子と、はじめて手を繋いじゃった。
小さい頃はあったかもしれないけど、大きくなってからははじめてだ。

繋いだ手は夏なのにひんやりと冷たくて、でもとても優しく感じた。