「はわわ……! スコティッシュフォールドって耳がぺたんてなってる猫ちゃんだよね!?」
絶対かわいいに決まってる!
猫を飼ってるなんて、うらやましい!
私はずっと、猫を飼うのが夢だった。
でもおじいちゃんが犬派で、猫などいても何の役にも立たない、なんて言って飼うのを許してくれないのだ。
おかげで家にいるのは小さく愛らしい猫じゃなくて、たくましく凛々しいドーベルマン。
ドーベルマンもかっこいいし、懐いてくれればかわいいんだろうけど、おじいちゃんにしか懐いていなくて、私にはちょっと恐かったりする。
「家に来ると、猫に会えるよ」
それは私にとって、あまりにも魅力的すぎるお誘いだった。
さっきまでの迷いは、猫に会いたい気持ちに簡単に吹き飛ばされていた。
もうこれは仕方ないと思うんだ。
猫という誘惑に勝てる人間が存在するはずないんだから。


