結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


思ってもいない言葉をかけられて、勢いよく顔を上げる。
ぽかんと飛鳥井くんの整った顔を見上げると、彼は「放っとけないから」と言い訳するように呟いた。


「どうするかは、移動してから話そうよ」

「え、で、でも……いいの?」

「さすがにこんな時間に、クラスメイトの女の子を置いていけないし」

「けど、こんな時間に……」


男の子の家に行っていいもの?

迷う私に、狼くんは少し考えるような素振りを見せると、おもむろにこう行った。


「実は、猫を飼ってるんだよね」

「ね……猫!?」

「うん。クリーム色の毛の、スコティッシュフォールド」