おじいちゃんの言いなりになって、おじいちゃんが敷いたレールの上をただ走るだけの人生なんて、送りたくない。
そんな人生を送ることに、何の意味があるだろう。
私は自分の夢を叶えたいし、自分の好きな道を歩きたいし、自分の心が求める人と恋をしたい。
それを願うのは、贅沢なことなんだろうか。
「じゃあ、せめて友だちの家に泊まらせてもらったら? 本間さんとかと仲良かったよね?」
「寧々子ちゃんは、いま家族でここを離れてるから……」
あ、だめだ。泣きそう。
悔しさとか、悲しさとか、寂しさとか。
いろんな感情がこみあげてきて、涙になって溢れ出そうになる。
目にぐっと力を入れてこらえながら、下を向く。
泣きそうになっている顔なんて、情けなくて見られたくなかった。
「……わかった。とりあえず、家来る?」


