結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


自分ではずっと、しっかりしてるって思っていたけど、大人たちのには根拠のない自信だとあきれられていたんだろうか。

私が黙りこむと、飛鳥井くんはまたひとつため息をついて私のバッグを手にとった。


「家まで送るよ」


行こう、と歩き出そうとした彼の腕を、反射的につかんで「だめ!」と叫んだ。

自分がバカな子どもだということがわかっても、どうしても素直に家に帰る気にはなれなかった。

だって、帰るということは、おじいちゃんの横暴に屈するということと同じだ。
おじいちゃんの言う通りにお見合いをして、婚約をして、卒業と同時に結婚しなくちゃいけなくなる。
それだけは、絶対にイヤだった。


「私は帰らない。絶対に」

「あのね。自分がさっきどんな危険な状況だったか、まだわからないの?」

「もうわかったよ! でも、だめなの。帰れないの……」