スコティッシュフォールドに体が弱い子が多い子がいるなんて知らず飼って、治療が大変になったから手放した前の飼い主と、そう変わらないと思った。
「狼くんは、どうしてルポをお迎えすることにしたの?」
「……なんとなくだけど、俺にとって特別な女の子に似てる気がしたからかな」
ソファーのうしろから、私の膝にいるルポをのぞくようにして微笑んだ狼くん。
どこか慈愛に満ちたようなその表情に、ズキリと胸が激しく痛んだ。
狼くんにとって、特別な女の子。
それって、美鳥という名前の婚約者のこと?
やっぱり剣馬が言っていたことは本当なの?
私には最初の日に「いまのところ婚約者はいない」って言っていたのに。
いや、嘘と決まったわけじゃない。
ちゃんと直接、狼くんの口から聞くまでは。


