初恋の彼に似ているから、狼くんを好きになったのかな。
なんだかそれは、初恋の彼にも狼くんにも失礼な気がして、考えを打ち消した。
「じ、事情って?」
「スコティッシュフォールドっていう種自体が穏やかで甘えん坊っていうのもあるし、ルポがけっこうなおじいちゃんっていうのも理由にあるけど。それとは別に、ルポは体が弱いんだ」
「体が弱い? ルポが?」
思わず膝の上で気持ちよさそうに目を閉じている、かわいい折れ耳を見つめる。
おとなしいけど、弱々しいとは思ったことがなかったのに。
「足の関節と、目と、それから内臓がね。その治療が大変で、前の飼い主はルポを手放したんだ」
「そんな……」


