結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】




私の膝で丸くなったルポの、毛並みを整えるようにゆっくりと撫でる。

ルポはすっかり私に気を許してくれるようになった。
こうして膝や背中に乗ってくるし、撫でてと催促してきたりもする。


「ルポは本当におとなしいね。猫ってもっと活発でやんちゃだと思ってた」

「ルポはちょっと事情があるから」


ひとりごとのつもりで呟いたのに、すぐに背後から返事があって驚いた。

ソファの上で振り返ると、ネイビーのスーツに着替えた狼くんがいた。
グリーンのドットタイをキュッと締める仕草に私の心臓もキュッとちぢむ。

かっこいい……!

完璧王子のハッシュタグが作られるのも納得のかっこよさだった。
本当に、童話に出てくる王子様みたい。

そう思った瞬間、昔の映像が頭に浮かんだ。
池に落ちた私を助けてくれた、初恋の彼。

やっぱり狼くんはどこか、彼に似ている気がする。