結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


「そうだよ。初の放課後デート、ここでよかった?」

「もっちろん! ありがとう、狼くん!」


自然と笑顔になってお礼を言うと、なぜかよしよしと頭を撫でられた。
はしゃいじゃって、子どもっぽく見えたかな。

狼くんは自然な動きで私の手をとると、入場ゲートに向かって歩き出す。
はじめて恋人つなぎをされて、胸がきゅんとなった。


「混んでるから、俺から絶対に離れちゃだめだよ?」

「う、うん。でも私、子どもじゃないから迷子になんてならないよ」

「俺が迷子になるかもしれないでしょ?」

「狼くんが迷子になるの?」

「そうだよ。だから俺の手、しっかり繋いでいてね」


お願いするように言われて、仕方なくうなずく。
ずるいなあ、狼くんは。
そんな言い方されたら、絶対離せないよ。