一瞬で、周囲の視線を根こそぎ集めた狼くん。
そのあまりの眩しさに、私は彼を直視することができない。
狼くんと花束なんて、似合いすぎてもはや罪だ。
「どうしたの? 待ちくたびれた?」
「全然待ってないよ。ちょっとサングラスがほしいなと思ったの」
「サングラス? 天気良いもんね。中のお店で買う?」
むしろ狼くんが買ってつけたほうがいいかもしれない。
少しは彼の輝きも抑えられるだろうし。
いや、でもお忍び芸能人的なオーラが出てしまって、逆に目立ちそうだ。
「どうやったって目立っちゃう人って、世の中にいるんだよねぇ」
「何の話?」
「ううん、なんでも! それより、早く行こ! あそこのパーク、行くんだよね?」


