結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


狼くんにエスコートされ、迎えの車に乗りこむ。
でもいつもならすぐに狼くんが隣に座るのに、今日はちがった。


「じゃあ、行ってください」

「えっ。ろ、狼くんは?」

「俺は別の車に乗るから」


別の車って、別々に帰るってこと?
いったいどうして。私、何か嫌われるようなことでもしちゃったのかな。

不安になる私の頭を、狼くんが優しく撫でた。


「親公認になったことだし、デートしようって言ったでしょ」

「デート? これから?」

「そ。せっかくだから、待ち合わせも味わっておきたいなと思って」

「現地集合ってこと?」

「……その言い方だとなんか色気がないな。まあいいや。行先は秘密。着いたらそこで待ってて。俺もすぐ行くから」


そう言うと、狼くんは車を離れ、軽く手を振る。
ゆっくりと車が発進して、小さくなっていく彼を私は窓から見ていた。