結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


ほんとはかなりルポとの生活に魅了されて決めたんだけど。
でもそれだけが理由じゃないというのは嘘じゃないし。


「くそ……ふざけるなよ」

「剣馬……?」

「悪いけど」


なんだか剣馬の様子がおかしくて、どうしたのと声をかけようとしたけど、それを遮るように狼くんが私を後ろへと追いやった。
剣馬の姿を見せたくないとでもいうように、広い背中が私の視界をふさぐ。


「三船の出番はないよ。仁葵ちゃんの守るのは、彼氏である俺の役目だから」


そのまま狼くんに手を引かれ、車に乗りこんだ私たち。
走り出した車を、剣馬はその場で立ち尽くし、ずっと険しい顔で見送っていた。