結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


剣馬は感情を押し殺すような低い声で言ったけど、なぜかそのとき私には、拗ねているように聞こえた。
なんだか小さい頃の、まだ可愛かった剣馬がだぶって見えたのだ。


「……で、でも。剣馬の家にはルポもいないし」

「ルポ?」

「狼くんが飼ってる猫。もう、めちゃくちゃ可愛いの! 最高の癒しなの!」

「お前……まさか猫につられて決めたのか。ずっと猫飼いたがってたもんなあ?」


しまった、と口を押えたけどもう遅い。
横で狼くんが手で目を覆うのがわかった。

うう、ごめんなさい。


「猫くらい、俺も飼ってやるからうちに来い」

「ね、猫は好きだけど! 猫が好きだから狼くんと同棲するわけじゃないもん!」