結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】


目を丸くするお母さんと、私も一緒になって驚く。
そんなはっきり言っちゃってよかったの?


「あなたは……」

「仁葵さんと同じクラスの、飛鳥井狼といいます」

「飛鳥井? じゃああなた、欧州局長の?」


お母さんは狼くんをまじまじと見て、それから感心したようにほぅとため息をついた。


「以前何かのパーティーでお会いしたことがあるはずだけど、覚えていらっしゃるかしら。とても雰囲気が変わられたのね。当然よね。もう高校生なんだもの」

「もちろん覚えています。奥さまはお変わりないようで」


あの頃と変わらずきれいなままで驚きました。
なんてリップサービスを、塩対応に定評のある完璧王子が口にするなんて思いもしなかった。

剣馬がうさんくさそうというか、不愉快そうに狼くんを睨んでいる。


「お上手ね。それで……どうしてうちの娘が、飛鳥井くんのお宅に?」

「週末の夜、怪しい男に絡まれている彼女を保護しました」

「怪しい男だと? 仁葵! やっぱり危ない目に遭ってたんじゃないか!」